残念・・・
蟹江敬三さんの訃報・・・ショックだ・・・
・・・三里塚闘争から逃げるように東京に戻った浪人の僕は、毎日のように新宿をうろついていた・・・東口周辺にはヒッピーが、ジャズ喫茶では山下洋輔さんや富樫さんのライブ、駅前の喫茶店には横尾忠則さんたちアーチストたちが、花園神社では唐十郎さんのテント芝居、その頃の新宿は異様なエネルギーにあふれ刺激的だった・・・芝居なんかにはまるで興味のなかった僕だったが、友人に無理やり誘われ、新宿アートシアターの客席ではじめて芝居を観た。現代人劇場「心情あふるる軽薄さ」(作 清水邦夫 演出 蜷川幸雄),舞台上には、緑魔子さん、石橋蓮司さん、蟹江敬三さん。映画館の狭い舞台を、汗を飛び散らかしながら叫ぶ蟹江さんたち姿を見た時、消耗し叫ぶことが出来なくなっていた僕の内面が共鳴した~「演劇ってすごい~!舞台を創りたい~!」
その後、劇作家の清水邦夫さんに出会、劇作のお手伝いをしていると、「こんど蜷川と櫻社という劇団をつくるから蜷川について演出の勉強をしろ」と預けられる。清水邦夫さんの「ぼくらが非情の大河をくだる時」が櫻社の第一作だった。あの客席にいた僕は、スタッフとして蟹江さんたちと稽古場通いが始まる~不思議な感覚だった~!舞台上の蟹江さんと素顔の蟹江さんはまるで別人だった~!やさしい兄貴のような存在だった!そんな僕が俳優になってからは、蟹江さんを先輩として、その背中を見続けてきた・・・まるでカルガモの子どものように・・・信じられない・・・受け入れたくない・・・
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