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出会い

 1月16日深夜、阪神淡路大震災で亡くなられた方々を追悼する『1.17のつどい』の会場になる東遊園地にある『慰霊と復興のモニュメント』で準備をしていると、そこに建つ『1.17希望の灯り』を叩きながら「かあちゃんとうちゃん会いに来たよ・・・」と涙する青年と出会った。

31歳のその青年は、20歳の時震災で両親と弟二人を失い一人ぼっちになり、奨学金で大学を卒業、その後就職し働いているという。

「・・・この11年さびしかった・・・たった一人で・・・」僕は思わず彼を抱きしめた。

「独りぼっちじゃないよ・・・ここには君と同じ悲しみや苦しみを抱えた人がいっぱい来るんだよ・・・」。

お手伝いに来ていたご遺族が集まって来た。青年の話を聞くと「私は21歳の息子を亡くしたんだよ」「うちは高校生の息子とホームスティしていた青年が亡くなったんだ」「うちは息子夫婦が」「僕のうちは娘が」口々に語りだした。青年の顔が変化した。つり上がったその目が微かにかがやいた。「・・・僕だけじゃないんだ・・・」。

21歳の息子さんを亡くされたご遺族が口を開いた「息子が帰ってきた!」。周りにいたご遺族も言い出した「それじゃ、わたしはお母さん役ね」「じゃわたしたお姉さん役かなッ」「チョッと歳食ってないか」誰かが冷やかした。みんなドッと笑った。青年も笑った。「この11年テレビを観ていても笑えなかったけど、初めて笑えました」凍りつき時を刻むことを忘れていたこころが、少しだけ溶け出した。

震災は僕にさまざまな出会いをつくってくれた。

新しい出会いに感謝!

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コメント

世話役、お疲れ様でした。
毎年、このつどいを通していろいろなドラマがありますね。
私は仕事のため、現地へ赴くことができず、家のTVの前で地元で黙祷いたしました。昨年から、地元でのつどいもなくなり寂しいです。

投稿: 笠井 隆宏 | 2006/01/18 22:57

うちの近所の空き地もほとんど駐車場から建売住宅やマンションになり、それまで117には花が添えられていたのですがその光景もほとんど見られなくなりました。
当時の方々は皆さん東遊園地へ行かれているようです。
堀内様、お疲れ様でした。また、ありがとうございます。m(__)m

投稿: るーく | 2006/01/18 23:34

堀内さん出会いの記事
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/00046919sg300601170900.shtml

投稿: るーく | 2006/01/18 23:39

コメント ごぶさた いたしております

笑みが でて よかったです
笑顔が でて よかったです
ひとりでも 多くの 遺族のみなさまに 笑顔が もどりますように…

堀内さま スタッフのみなさま お疲れさまでした。。。

投稿: カオル | 2006/01/19 03:45

『1.17のつどい』・・・昨年はじめて足を運びました。
『慰霊と復興のモニュメント』も『1.17希望の灯り』も、建立された当初から知ってはいましたが、なかなか訪れることが出来ませんでした。
あの日あの時、幸いにして何も失わずにすんだ・・・その事が、かえってこころを縛っていたのかもしれません。私のような者がそこにお邪魔して、果たしていいのだろうかと・・・。

「10年だし・・・」「(前日準備が)日曜日だし・・・」自分にいっぱい言い訳しながら、息子を連れて行きました。
ご遺族の方ともお話をさせていただき、その後も「モニュメント交流ウォーク」や「ひまわりの種まき」などにも、(傍の迷惑も顧みず)のこのこと参加させていただいています。
そしてその度に、いっぱいの優しさと明日への大きな力をいただいているような気がしています。
皆さん、とても素敵な方ばかりです。
ほんとうに、出会えてよかった・・・この出会いのひとつひとつに感謝!です。

そして、知らされました。震災を知らない世代の息子や、そのまた次の世代の子どもたちへ・・・、きちんと命の襷をリレーできるように・・・現在を生かされている私には、今やれることがあることを・・・。
100年後の森のために・・・。

投稿: Qまま | 2006/01/19 11:10

現在は東京に住む叔父が、震災当時に被災
地に住んでいました。
住んでいたマンションも、物凄い事になりしば
らくホテル住まいをせざるを得なかったそうで
す。
昨年夏に神戸に行った時に、その足で当時
住んでいた場所に一緒に行ってみました。
関東に住んでる自分にとっては、11年前の
震災も、一昨年の新潟の地震も直接経験し
ていませんが、いつ関東で起こっても不思議
ではないんですよね。きっと。
あれからもう11年経つんだなと叔父は言って
ました。
堀内さん、お疲れ様でした。

投稿: やまぐち | 2006/01/19 17:30

運のいい人
悪い人

そんなくくりでは
計り知れない経験をした
人たちがいる

わしの生きてる
同時代に

そんなことが
時間がたつほどに
風化していくのが

本当にさびしいのですが

こうして
本当に
自分のことのように活動されている
様子を伺うと

本当に泣けてきますね

週刊誌での堀内さんの
そんな大それたことじゃなくて
自分が年老いたときに
よろしく頼むという感覚

そんなライト感覚で
ボランティアをしていく
そんな心意気を維持するのが
実は一番保つのが難しいのだと
思います

人事じゃ
ないんですけどね
東海地震だって
あるかもしれないし

とにかく
関係のみなさん
本当にお疲れさまでした・・・

投稿: 旅の者 | 2006/01/21 08:28

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